2017年07月02日

チャルカ

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昨日の夜は町内有志主催の映画上映会に行ってきました。主な内容は原子力発電でできる高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の話です。

すごーく長くなっちゃったので続きは折りたたみます。


わたしは小学生のころ授業で原子力発電のことを学びました。先生は「原子力発電は安くて無限につかえてすごい技術です。でもひとつだけ問題があって、何万年も危険な "核のゴミ" がでてしまいます。みなさんはこれからたくさん勉強して、大人になったらこの問題を解決してください」っておっしゃったの。「えー、解決できない危険なものがあるのに、便利だからって使っちゃだめじゃん!わたしたち(未来のオトナ)にそんな迷惑なものを回さないでよ!」と思ったのを覚えています。

だって自分の身になって考えてみたら、石器時代の人がうっかり作っちゃった危険なものがずーっとありつづけたりしたら嫌じゃない?

ちょっと考えて北京原人とかネアンデルタール人くらい昔かと思って調べてみたのですが、それは40万年くらい前なので遡りすぎでした(笑)そのあとマンモスが栄えて氷河期がきて、それから温暖化が進んでホモサピエンスがアフリカから世界に広がった…このあたりが10万年前だそうですよ。10万年ってはるかな年月ですね。それくらい長い年月をかけないと核のゴミは自然界にある放射能と同じくらいのレベルにならないのだそうです。

その危険きわまりないものをどうするかというと、世界条約で決めてみんな自分の国の地面の下に保管することにしたんだって。それで映画ではフィンランドやフランスまで取材にいって、どんなところに埋めるのかみてきました。フィンランドはものすごく硬い岩盤の国で18億年以上動いていないプレートの奥深くに埋める計画らしい。フィンランドの係員さんは「どうやったら後世の人に "ここは危険だからあけちゃだめ" って伝えたらいいんだろう?」とマジで悩んでいました。現代の人の知識を集めても古代エジプト文字でさえも読めないのに、10万年後でも通じるのは何語だろう?って。フランスでは最終処分場に賛成の人と反対の人がでてきて、それぞれに思いを語っていましたが、それでもだいぶ分厚い粘土層の奥深く(ここも地震のこないところ)に埋める予定しているみたいです。

で、日本はどうするの?となるとまだどこに「最終処分」するのか決まっていないのです。元動燃の主任研究員で地質学者の先生は日本は地震列島だし、ふさわしい場所はないっぽいっていってたよ。どうするんでしょうね。今は「一時保管」しているけど、このまま原発を使っていったらどんどん溜まっていっちゃうよね…。

いま「最終処分」について研究しているところが日本で二カ所あって、一つが道北の幌延町。もうひとつが岐阜の東濃の瑞浪市です。でもどちらもあくまでも「研究」であって、「最終処分」については地元のみなさん猛反対しています。

やっぱり原子力発電は本当に問題の多いものだと思いました。

映画の中では、幌延町の隣の豊富町で酪農を営んでいる久世さんの語るお話もずいぶんでてきました。久世さんのお話、共感する想いも多くてとてもよかったです。

久世さんはずっと幌延町の最終処分場について反対しています。原子力関連企業に頼らなくても、ここには豊かな自然があるじゃない!放牧で牛を健康に飼って農業で幸せに暮らしていかれるじゃない!自分は子どもたちに自分たちの力で生きていかれるように教えてきました。過疎の村でも子どもたち一人も町外にでないで大人になれば過疎も解決していくのではないか…とお話していました。久世さんの息子さんは牧場を継ぎ、長女はそのミルクを使ってチーズを作り、次女は町内に嫁ぎ、三女はカフェをやって牧場のミルクでジェラートを作っています。この子たち、日本全国どこに行っても暮らせるけど、ここが好きで暮らしているんだよって。

「今の世界はダメだって言っても、ある日突然いい世界がくるわけじゃないの。少しずつ世界をよくしようと思う動きがあっち、こっちで起こっていかないといい世界にならないんだよ」って言っていました。あきらめないでちょっとずつでもよくしようと努力するのが大切なんですね〜。


映画のタイトルにもなっている『チャルカ』とはインドの手紡ぎ糸車のことだそうです。イギリスの綿製品を買わせてもらうのではなくて、自分たちで綿花を栽培して紡いで織って布にして着るということは、つまり自主独立、自給、自治のシンボルなのだそうです。

インド独立の父、マハトマ・ガンジーさんは「あなたがこの世で見たいと願う変化にあなた自身がなりなさい」と言っています。自分たちの将来は自分たちの今の努力によって変えることができるんですね。どういう未来を選ぶのか自分たちの日々の暮らしが重要になっていくんだなぁと思いました。

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ちょっと話はずれるのですが、先日下川町の熱電併給事業について説明会がありました。さらに興味をもって議会や委員会も傍聴してきました。トマト氏とも話ししていたのですが、(今は頭の脳みその大部分がトマトを占めているので)町長さんが説明する事業をすすめるのがいいのかどうか、やらない場合はどうしたらいいのか、よくわからないでいました。

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そんな中、ある日の議員さんたちとの懇談会の中で一人の男の方が「対案があります」とみんなに紙を配ってくれました。(著作権があると思うので小さくしてよく内容が読めないようにしてあります)寺田デザイン事務所の寺田さんでした。(寺田さんは下川町まちおこしセンター「コモレビ」のお名前を考えて、かっこいい看板をデザインした人です)

町が説明する「事業」の問題点、不安点を解決してくれるとてもいい案でした。こういうのが町民発ででてくる町ってすごいっ!と思うのです。

行政のみなさんも一生懸命いろんなことを考えてつくった事業案だと思うのですが、それにこだわらないで町民の意見もよく聞いて、いいとこ取りで、みんなで一番いい方法を考えてくれたらいいなーと思います!

                          Asako
posted by tomato at 19:24| Comment(0) | あれこれ
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