2017年02月16日

農薬を使わないということ

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ある雑誌の方が取材に来てくださいました。何をお話したらいいのかな?ととりとめのないままお話してしまったのですが、まとめるほうはたいへんかもしれません… (^^; ごめんなさい。

その中で気がついたのですが、自分たちにとってあまりに ふつう なことが、その方の常識(というか先入観?)とあまりに異なっていたことがありました。それは「農薬を使わないと収穫量が減るのではないか」ということ。うちは「トマトたちが病気になっても、我慢して、農薬を使わないでいる」わけではありません。農薬の必要な状況にならないから使わないのです。(注)

うちではトマトたちが健全に育っていれば病気や虫に負けることはないと思っていたけれども、世の中では必ずしもそうではないらしい。でも、少なくともうちや師匠のところでは、虫や病気が多少発生しても農薬を使わなくても成長や収穫量に影響するほどひどいことにはなりません。

なんでかな?と考えていたらトマト氏が「草もあるしね」と一言。

そうそう。うちは除草剤も撒いていないので、ハウスの周りやハウスの中の端っこのほうにいろんな草が生えています。そういうところに害虫の天敵も住んでいます。たとえばうちのハウスでは、アブラムシを見つけるより先にアブラバチやテントウムシやヒラタアブを見かけます。その数日後にアブラムシを発見したりして、「お母さんにはかなわないね」と話したりしています。つまり、アブラムシの天敵であるアブラバチなどのお母さんは子どもたちの餌のあるところ---アブラムシの発生しているところ---をわたしたちより早く発見してそこに産卵しているのです。

ときどきトマト氏と話すのですが、世の中にはトマトに害のある虫(や菌)と益のある虫(マルハナバチとか)のほかに、いてもいなくてもどうでもいいような虫や菌たちがたくさんいて、バランスしているのだと思うのです。たぶん全体の99.9%くらいは、人が作物を栽培していく上で「いてもいなくてもどうでもいい虫や菌たち」なんだと思います。

それでたくさんの「いてもいなくてもどうでもいい虫や菌たち」の中に、たまに悪い子がでてきてもそんなに勢力拡大できないのではないかしら。それを殺虫剤や殺菌剤で皆殺しにしてしまうから、悪い条件でも生き延びられる凶悪な菌(や虫や草)がのさばってしまうんじゃないかしら?

あるいは人間でもちょっと疲れがたまったようなときに菌に取り付かれて風邪をひいたりするみたいに、作物もちょっと無理しているようなとき(生育を急いだり、環境がその作物にとって快適でなかったりするとき)に菌に取り付かれてしまったりするのではないかしら?

つまり 多様な生物がいて作物が健全に育っていれば農薬は必要ない ということなのではないかと思うのです。


こういう話をすると「そういうのはメルヘンちっくで消費者受けするよね」って言われてしまったりするんだけど、少なくともアテネファームでは ふつう で 当たり前 なことなんです。


                                Asako


(注)早春にとっても寒くてマルハナバチが働けないくらいときにはトマトトーンを使うことがありますし、どうしても必要になったときには天敵とか物理的(手でとるとか、草を短く刈って風通しをよくしたり)にやっつける方向を選択します。
posted by tomato at 07:38| Comment(2) | 農作業
この記事へのコメント
虫も鳥もみんな共存していけるはずなのに、害虫として農薬使ったり、見た目?が悪いからって、除草剤まいてるんだろうけど。彼らからしたら、私たちが害虫だよね(笑)
Posted by rei at 2017年02月17日 14:08
reiちゃん、ほんとほんと。草や虫たちにとったら人間は凶悪な敵?笑

それでも、農薬の手伝いを借りないでいくっていうのは、相応に手のかかることなんです。それで手間のかかった分、高く買ってもらえるかというとそうでもないのが現実。

いやいやいや、価格が高くなくても「絶対こっち(手間をかけて農薬なし)のほうがいい」って消費者の方々が選択してくれれば、そちらが増えると思うのだけれども、必ずしもそうではないんですよね。

流通業者さんの話によると「消費者の支持」というのは売り場への影響は絶大なので、ひとりひとりが「世の中に良い」と思われる行動をとることが、小さいことでも世の中を良い方向に変えていくことになるのではないかと思うのです。

枝元まなみさんが書いていたけど「わたしたちは一日3回、世の中を変えるチャンスがある」んですって。(それはつまり何を食卓に並べるかということだけれども)

「すぐに全部」はできなくても、「少しずつ、ときどき」を多くの人ができるようになるといいですね〜(^^)/
Posted by Asako at 2017年02月23日 12:28
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